サンティアゴ・デ・コンポステーラ。巡礼のひとり旅inスペイン(4)
2018年4月、スペインのカミーノ・デ・サンティアゴを112km手前からただただ歩いたひとり旅、4回目。
こんにちは未季です。
久しぶりですねー久しぶりすぎですねー。
私ごとですが子育てしています。
コロナウイルスの蔓延も相まって旅は何重にも遠のいています。
でもいつかまた、この広い地球の好きなところに行ける日がくる。ウイルスに打ち勝って自由を取り戻すことができると信じて我慢。
どんな人もがんばってる。
乗り越えるためにみんながんばってる。
すごい、えらい。よくやってるよね。
あなたもあなたもあなたも、私もだ!
今はいろんな人たちの音楽や旅の記録をもらって気力を繋いでいる。ありがたい。
こんなたまのブログでも誰かのひとときのお楽しみになればいいと願います。
その割には結構ボヤいた回だな…それもまたということで。
それでは。
3日目、巡礼路も半ばに差し掛かり、私の満ち足りた心とは裏腹に体は疲れを訴えてくるようになった。
これまでは少し休むことで回復していた足の疲れがもう戻らなくなっている。むしろ痛い。
しかし運動の疲労と痛みって動き出すとまた感じなくなるのね。
よく出来た機能だな。
初めて知りました。無知にもほどがある。
そもそも運動が楽しいと思えるようになったのはここ5年ほどのことなのだ。
学生の頃と言えば先生の目をかいくぐって部活を脱走して帰りの道端でお友達とおしゃべり。近くにマンホールもあったので正真正銘井戸端会議だ。
お酒を楽しむようになってからはハイなハートについてこられない体を何度そこら中にぶつけたことか。
まさかウォーキングとはいえ自発的にアウトドア活動をと思うなんて…つらい失恋もそれなりに役に立つね。
今日の行程は一日中霧のような雨が降り続き、広い空のどこにも青空を見つけられずにいた。
こういう日でも不思議と歩くこと自体に嫌気はないのだけれど、心とは裏腹に温まらない身体の疲労が痛みになって感じてくる。
ガイドブックで目をつけたアルベルゲは谷に流れる川沿いにあって山深いロッジを思わせるような景色の良さが売りだった。
けれどもう宿まですぐだというのに街という雰囲気はまるでなく、自炊する気のない私の頼みの綱のスーパーも定食屋もちょっとした個人商店も、むしろ住宅さえ見当たらない、正真正銘の山の中だったのだ。
どうしよう。
もう3kmほど歩けば次の街に出る。しかし疲労はピークだ。谷に降りる急坂を下るときには腿の痛みでもはや足を出すのもつらい。
さすがに一日中曇り空の下にいて気力も萎えてしまったことで今日の宿はここに決めた。
ガイドブックでも割とおすすめしていたし大丈夫だろう。
…という思考停止した時の選択は往々に失敗をこくのである。
受付からしてもうダメな感じがした。
…人がいないんだもん!
スペイン巡礼は今世界中で空前の人気コンテンツ、まだ寒い4月上旬だとしても安いアルベルゲのオープン時間には大概人だかりができているのが常だ。
なのにである、受付の人もいなかったよ。
この日は本当にひどい目に合ったね。
夏にはたくさんの人でひしめき合うだろうロッジ内のベッドルームは今、おじいさんと私の二人だけ。
50以上はベッドがある空間を温めるには空調も心許ない。
やばい、冷えて風邪ひく、あったまろうとシャワー室を探すとまさかの外。海の家のそれを想像して欲しい。しかも押しボタン式シャワーで頼みの温水はだいぶ奥ゆかしい有様。気温7度の中、気合の水浴び。
手持ちの飲料水もほとんどない。スーパーもない。
キッチンも寒い。行き場がない。
25km歩いて甘いパンとナッツとビタミン剤が夕食でした。小鳥か。
最後の足掻きでホッカイロを2枚貼って寝ました。
朝、元気に起きられたのは今でも奇跡だと思います。
コテンパンにやられたアルベルゲはこちら。
リバディソ・ダ・バイショ。
宿の写真は一枚もなかった。余裕のなさが伺えるよ。
散々書きましたが暑い時期には最高だと思います。
隣の牧場からの脱走牛が洗濯機の近くの草をむしゃむしゃしにやってくる。結構ドキドキしました。日本第三の都市には放たれた牛はいないものね、都会っ子気分です。
あっという間に残り2日。
元気をお出し…。
空。
美しい白馬。囲われていなかったので半野良。
空。
空。とにかく変わるったらないガリシア州。
横長のお顔のかわいい兄弟。
これ、とにかくたくさん生えてました。見た目わさび。食べるのは葉っぱの部分。
時が止まったようなイグレシア。
ペドロウソ。なんだか好きないい街でした。
おまけ。栗ヨーグルト!