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呼吸とボイストレーニングと、旅とピラティスのコラム。

楽器で音を鳴らすときに必要な部分は?【腹式呼吸の謎コラム~音楽編】

 

こんばんは。

 腹式呼吸の謎コラムのシリーズです。

 

 

 

 

前回

そもそも、なぜそんなにも腹式呼吸がしたいのか?どうなりたいからしたいのか?【腹式呼吸の謎コラム】 - Singhealthy

 

 

 

 

 

ケータイを床に落としたらたいがいなにか音が出る。

車にエンジンをかけても音が出る。

マッチを擦っても出るし、コップに水を注いでも出る。

 

そういった類の‘音’と、音楽の元になる‘音’は、どう区別されているのか?

(今回はアコースティック楽器から発する音で考えています。個人的にはありとあらゆるすべての音は音楽になりうる可能性があると思っているけれど、その話はまた別の話)

 

 

 

 

 

 

 

 

ざっくり書くと

 

 

・ボリューム調整できるいい音

 ・何かしらの音階(音程差)が発音できる

 

 

 

の2つの条件がクリアできるかどうかではないかと思う。

 

 

どういい音かという話は今回置いといて。

楽器には各々その2つを条件を作り出す部分を搭載している訳で、じゃあ歌という音も2つの条件を作り出す部分を作り、意識して発音すればいい訳で、そこに【腹式呼吸】のワードが出てくる。

 

 

 

 

 

というのが今日のお話です。

 

 

 

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楽器が

 

 

 

・ボリューム調整できるいい音 

・何かしらの音階(音程差)が発音できる

 

 

 

として次は、そのために必要な部分がなにかということ。

 

 

 

 

これもざっくりまとめると、

 

1.まず音を発する(発音)部分。そしてその方法。

2.音程差を作り出す部分。

3.発した音が響き、いい音であり増幅された音を作り出す空間部分。

4.出来上がった音を外に出す穴部分。

 

 

 

でしょうか。

あくまでも一介のシンガーでボイスインストラクターの大いなる趣味であり研究である内容なので、ざっくり具合はご容赦ください。

(あまりにおかしい所はぜひご教授お願い致します。 

 

 

 

 

たとえば弦楽器。

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1、 発音部分は弦。方法は指で弾いたり、弓やピックなど道具を使ってこするようにして音を発する。

2、弦の決められた一部分を抑えて実質震える弦の長さを変えることによって音の高低差を出す。

3、木でできた箱とその空間の中の空気。

4、箱に空いた穴。

 

 

 

 

 

たとえば管楽器(マウスピースを使う場合)

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1、発音部分はマウスピース。唇をそれに当てた状態で息を吹きかけ震わせることで音を発する。

2、ピストンバルブを押すバリエーションとマウスピースの具合で音の高低差を作る。

3、菅の中の空間。

4、菅の最後の開いた穴。

 

 

※リードを使う場合は1番が変わってくる。

 

 

 

 

 

たとえば打楽器。

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1、発音部分は固い木やピンと張った皮。方法は叩く。なにかでか、手でか。

2、木そのもののサイズを音程に合わせて作り並べるタイプや、ねじやひもで皮の張り具合を調整して音の高低差を変えるタイプ。

3、だいたいは箱のような形をしていて、その中で響く。

4、そのもの自体が音を出すが、穴があってそこから音が抜ける。(穴は別の役割もある)

 

 

 

 

 

そうすると、歌の場合はどうなるのか。

 

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1、発音部分は声帯。方法は声帯部分にほんの少量の空気を当てることで震えさせ、こすり合わせている。

2、声帯の角度や張り具合などで音の高低差を変える。

3、気管支、気管、口の奥、鼻腔等。(肺も?)

4、主に口腔、鼻孔。

 

 

 

 

 

 

 

歌うということを「声で演奏する」ことだとして考えるとこんな風に表すことができるのではないかしら。見えない体の内部で起きていることを具体的に示すことで、『いい音』で『音程差』をより理想的に演奏する助けになる訳です。

詳しくは音声学や解剖学の分野になると思うので、興味のある方はぜひ。

 

 

 

 

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そうすると、上手い歌声を出し使いこなすこととギターを上手く鳴らし使いこなすこと、トランペットやサックスを上手く吹き使いこなすことは、根本的に同じことをすればいい。

 

上の4つの項目を、ほかの楽器と比べて違いはある?

 

さて、まとめてみますと。

 

 

 

 

 

 

 

1、声帯に適度な風を吹きかけるためには、肺のポンプ機能と気管の角度が重要。

 

2、声帯は短いので、風の量はかなり少なくていい。そして声帯の伸びや2枚の接地面の調整は意識的に変化させるのは難しい(感覚と脳)。

大切なのは、変わらず安定した少量の息を声帯に吹きかける、肺の息を保つ力

 

3、ここが大きく違う。

他の楽器は空間は固く出来上がっていて変化することはないが、声の場合は基本的に動かせてしまう柔らかい体を使う。空間を作り出す姿勢を意識的に維持することが大切。気管に至っては1の息を吹きかける角度の安定にもつながってくるのでより支え続ける感覚を維持したいところ。

 

4、これも3同様に無意識に緩んでしまう部分。

出ていく音の方向を顔の骨や表情筋を使って意識することが大切。

 

 

 

 

 

 

 

「体の中の空間を保てる、一番安定した姿勢を維持しながら、呼吸をする」

 

 

この条件をクリアするのが、音楽のための【腹式呼吸】なのです。

 

 

 

 

 

 

長い前提を読んでもらえてありがたいです。

次は、実践の理論編。

 

 

 

 

ではでは。

 

 

 

次回

まとめると。【腹式呼吸の謎~音楽編】 - Singhealthy